- イーゴリ・ストラヴィンスキー:バレエ音楽「結婚」
- 同上:カンタータ「星の王」
- 同上:オペラ=オラトリオ「エディプス王」
12月31日 マリインスキー・コンサートホール 16:00~
もともと行く予定はなかったが、直前にプログラムをチェックして見ると、一度生で接してみたいと思っていた「結婚」が追加されている!!これは行かねばと即チケットを購入(ただし、一番安い席)。
16時開始の案内だったが、16時を過ぎてもリハーサルの音が聞こえている。往生際が悪いなあと思いつつ会場に入れるのを待っていたが、実際に舞台を見て納得。何本も設置されたマイク。どうやら録音するつもりらしい。そういえば昔、『レコード芸術』かなんかのインタビューで、ゲルギエフは「ストラヴィンスキーの「結婚」は好きな作品なので録音したい」と言ってたっけ。どうも今日演奏された3曲は、すべて録音されたようだ。ゲルギエフは2月にも、「兵士の物語」「きつね」「ピアノと管楽器のための協奏曲」というストラヴィンスキー・プロを振るつもりらしいが、それも録音してCDにするのだろう か。
ともかく、さすがに録音するだけあって、今日の演奏は昨日より音楽を丁寧に作っている様子がうかがえた。特に「結婚」はロシア語の発音を活かしたアクセントをつけたりして、ネイティヴの強みを生かしていた。ただ独唱陣は、合唱と器楽アンサンブルに埋もれがち。生で聞くと、ゲルギエフの指示が十分活きていないような気がしたが、CDで聞くとどうなっているだろう。打楽器群は相変わらず上手い。ピアノはもっと自己主張が強いほうが好みだが、これは普段聞いている演奏がバーンスタイン盤だから、ということもあろうだろう。なにしろバーンスタイン盤は、ピアノがアリゲリッチ、ツィマーマン、カツァリス、フランセシュという豪華メンバーだから。ゲルギエフのテンポ設定はバーンスタインに比べて早目。ちょっと急いてるような気もした。とまあ、細かい不満はあるものの、生でピアノ奏者4人と打楽器奏者7人、それに独唱者、混声合唱という特異な編成のアンサンブルを見るのは楽しかった。
「星の王」はCDでも聞いたことがない、正真正銘、初めて聞く曲。4管編成のくせに、ほとんど静かで、すぐに終わってしまう不思議な曲。何も知らずに聞くと、ストラヴィンスキーとは分からないかも。でも面白い曲だと思った。「エディプス王」は、同じ独奏者で11月にも聞いたことがあるが、その時は舞台形式だった。今回はコンサート形式だけあって、独奏者も歌のほうに専念できたためか、全体的に11月より完成度が高かったように思う。といっても、(いつものことだが)聞いていて熱くなったとか、そういうわけではないのだが。