2009年11月28日土曜日

ダイアナ・クラール in St. Petersburg


11月28日 リムスキー=コルサコフ音楽院 19:00~

これは完全に、ネームヴァリューに惹かれて行ったコンサート。ある時マリインスキー劇場に行った際、目の前のリムスキー=コルサコフ音楽院に大きなポスターがかかっているのを発見。「Дайана Кролл?聞いたことある名前だなあ」と思って家に帰って調べてみると、結構な大物であることを知る。つまりその程度の認識だったのだ。私はジャズも聞くけど、かなり好みが偏っているので。さすがに平原綾香の時のように、最前列で600ルーブルとは行かないものの、2階席で900ルーブルだったらまあいいかというわけで、チケットを購入。

実際に聞いてみて、なぜ私がこの人に今まで出会わなかったか理解できた。確かに巧い。声は安定しているし、ピアノも、最近聞いたクラシックのピアニストほど美しいタッチというわけではないが、指はよく回る。バックの3人も十分なテクニックでもって、彼女を支える。特にバラード系の曲では、彼女の重量感のある声が、威力を発揮していた。

でも正直に言うと、「この程度の水準なら、ペテルブルグのライブハウスで出会うことも難しくないなあ」というものだった。非常に安定した演奏を聞かせてくれるのだが、見方を変えると今一つジャズ的なスリルが足りないという気がしたのだ。ヴォルコフなどを聞いているときに感じる、崩壊寸前の「危うさ」がないというのか。とにかく私は、クラシックでもジャズでも「前衛的なもの」に惹かれるらしい(まだ若い証拠?)。

あと、なぜか会場が普段バレエをやっているホールで非常に広いので、ジャズに不向きだったということもあるかもしれない。平原綾香の時のように、目の前で聞けばもっと印象が良かった可能性はある。平原綾香の場合は、目の前で生の声を聞いてノックアウトされたということがあるから。本当に、なぜ音楽院だったのだろう?

ロシアに来てから半年以上。ロシアのクラシックはちょっと期待外れだったけど、、その分ロシア・ジャズを発見できたのは収穫だった。残りの滞在期間で、この評価はどうなるだろう。

0 件のコメント: