アウリス・サッリネン オペラ「赤い線」
ミッコ・フランク指揮、フィンランド国立歌劇場管弦楽団&合唱団ほか
5月29日 マリインスキー劇場 19:00~
アウリス・サッリネンは、初めて聞く作曲家。いわゆる「現代音楽」は好きなほうだが、意外とフィンランドの作曲家は聞いていない。別に避けてきたわけでもないのだが。ちなみにミッコ・フランクを聞くのも初めて。聞いたことのない作品なので判断は難しいが、全体を問題なく統率していたと思う。
インターネットで大まかなあらすじだけ掴んで臨んだ。1907年、初の国会選挙が行われることが、背景としてある。しかし、物語全体は、結局宗教も社会主義も貧しい農民を救いはしないという、悲しい結末になっている。作曲されたのは1978年で、全体で2時間弱。
http://www.chesternovello.com/default.aspx?TabId=2432&State_3041=2&WorkId_3041=11573
音楽は、調性感のあるメロディーが主体で、ところどころ現代的なサウンドが挟み込まれる。そうした音楽を使って、貧しい人々の閉塞感を描き出している点で、ヤナーチェク(イエヌーファ)やブリテン(ピーター・グライムズ)に通じるものがあると思った。とくに印象的だったのは、第2幕で歌われる民謡調のアカペラ。ジーンときた。
といっても、何を歌っているのか漠然としかわからないというのは、やっぱり隔靴掻痒の感がある。歌唱はフィンランド語で、当日はロシア語の字幕が出ていたが、残念ながらロシア語の字幕を追えるほどの語学力はない。CDでもう一度聞きなおしてみたいが、以前出ていた唯一のCDは、すでに廃盤らしい。
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