2009年6月20日土曜日

ゲルギエフの「エレクトラ」

リヒャルト・シュトラウス 歌劇「エレクトラ」

ワレリー・ゲルギエフ指揮 マリインスキー劇場管弦楽団&合唱団ほか

6月16日 マリインスキー劇場 19:00~

これは本当に聞くのが初めての曲。インターネットであらすじだけ確認し、臨んだ。その点では「アレコ」や「イオランタ」と同じなのだが、こちらのほうがはるかに前衛的。チャイコフスキーのように、即座に耳になじむような分かりやすい旋律はない。もちろん、全編に満ちている不協和音がこの曲の魅力でもあるのだが、いきなり生で聞いてしまうと、さすがにつかみどころが分かりづらい。

しかも今回の公演では、巨大なオーケストラに圧倒されて歌手たちの声が聞きとりづらかった。最初の侍女たちの会話からして、そう。なにしろ、オーケストラピットにオーケストラが入りきらず、打楽器は両脇のボックス席に配置されていたぐらいだから。ティンパニの叩きっぷりは気持ちよかったが、普通に考えれば、歌手の声をかき消してしまうだろう。生の「エレクトラ」とはこんなものなのか、それとも歌手たちの声量不足なのか、もう少し経験を積んでみないと(と言っても、「エレクトラ」を聞く機会などそう多くはないだろうが)分からない。こういうバランスの問題は、CDだと誤魔化せてしまうし。

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