アントン・ドヴォルザーク チェロ協奏曲ロ短調
ペトリス・ヴァスクス 「チェロのための本」~第2楽章Dolcissimo(アンコール)
ベラ・バルトーク 歌劇「青ひげ公の城」(演奏会形式)
ワレリー・ゲルギエフ指揮 マリインスキー劇場管弦楽団
ダヴィド・ゲリンガス(チェロ)、エレーナ・ツィトコーワ(メゾ・ソプラノ)、Gabor Bretz(バス)
6月19日 マリインスキー劇場コンサートホール 19:00~
5月末にチケットを買った段階では、「青ひげ公の城」しか告知していなかった。ところがいつの間にか、ゲリンガスを迎えたドヴォルザークが追加。おかげで、すごく得した気分。
一番前で聞いていたせいもあるのだろうが、ドヴォルザークのチェロ協奏曲では、ソリストの演奏にぐんぐん引き込まれた。力強い音で、曲を引っ張っていく。最近満足できる協奏曲の生演奏に出会えなかったので、これは嬉しかった。またアンコールのヴァスクスが素晴らしかった。水を打ったような静けさの中、ゲリンガスの「歌」(この曲はチェリストが文字通り「歌う」)が響いた。録音もしているぐらいだからきっと得意の演目なのだろうが、まさしく奏者と曲、そしてホールが一体化していた。その間、誰かの携帯が鳴らなくて良かった!
一方、ゲルギエフの特長が発揮されていたのは、後半のバルトークだったと思う。とても洗練されたバルトーク。ソ連時代のロシアのオケからは考えられないような響き。もちろん、要所ではドラマチックに盛りあがる。他のバルトークの作品、特に「中国の不思議な役人」あたりもゲルギエフの指揮で聞いてみたいと思わせた。ハンガリー語はさっぱり分からないが、2人の歌手も好演。演奏会形式だったが、ツィトコーワは髪をかきむしる演技を見せていた。ゲルギエフがロンドン交響楽団を振ったCDがもうすぐ出るけど、CDではどんな演奏を聞かせてくれるのだろうか。
0 件のコメント:
コメントを投稿