2009年6月6日土曜日

ロシア語の「魔笛」

W.A. モーツァルト 《魔笛》(ロシア語による上演)

トゥガン・ソヒエフ指揮、マリインスキー劇場管弦楽団&合唱団ほか

6月3日 マリインスキー劇場コンサートホール 19:00~

なかなか面白い演出だった。中でも特徴的だったのは、台詞の部分で打楽器による伴奏を付けたことである。それも銅鑼などの「東洋的」な響きのする楽器を多く用い、モダンというか、ちょっと不思議な空間を作り出していたことである。服飾も、日本の様々なもの(学ラン、般若、鎧兜、傘)をヒントにしたようであり、獅子舞(こちらは中国風)を模したような動物も登場して、笑えた。ちなみにこの獅子舞、動きがかなり滑らかで、見事だった。ロシア人はどのようなつもりで見たのだろう。オリエンタリズムといえばオリエンタリズムだが、こんなことで目くじらを立てるのもバカバカしいと感じる。

歌手の中では、パパゲーノ役の歌手(エフゲーニ・ウラノフ)が光っていた。演技も達者で、声もよく通る。ユーモアたっぷりで、オペラ全体の雰囲気を牽引していた。

一方、期待していたソヒエフ指揮のオーケストラは、残念ながらヴァイオリンの音が荒れ気味。仕事のしすぎだろうか?そんなこともあって、もっぱら舞台上の芝居を楽しんだ。

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