ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン 交響曲第4番変ロ長調
同上 交響曲第7番イ長調 (以上7月9日)
同上 「献堂式」序曲
同上 交響曲第8番へ長調
同上 交響曲第2番ニ長調 (以上7月10日)
パーヴォ・ヤルヴィ指揮 マリインスキー劇場管弦楽団
7月9日&10日 マリインスキー劇場コンサートホール 19:00~
ここ数年、ゲルギエフに迫る勢いで八面六臂の活躍を続けているパーヴォ・ヤルヴィが登場。しかもマリインスキー劇場のオケを振ってベートーヴェンとはどんなことになるのかと思って、聞きに行った。実はこの演奏会、ゲルギエフやノセダ、ソフィエフなどの指揮者が交代でベートーヴェンの交響曲と協奏曲を振るシリーズの、最終回である。残念ながら、他の演奏会は聞きに行けなかった。
まず舞台を見て驚いたのは、弦の数が多いこと。数えてみると、ファースト・ヴァイオリンから順にプルトの数が7-6-5-4-3となっている。ヤルヴィのことだから、もっと小編成で臨むと思っていたが、意外と一般的な編成である。
初日と2日では、2日目のほうが良かったように思う。1日目は、アンサンブルがところどころ乱れ、ヤルヴィの意思が今一つオーケストラに浸透していない感じで、「このオーケストラ、働きすぎで疲れているんじゃないか」と思ってしまった。管楽器のソロも、もっと上手いはずだったと思う。弦のプルトが多い割に、響が鈍重にならないのはさすがだが、見方を変えると元気がないとも言える。それでも、それぞれの交響曲の終楽章など、ヤルヴィの快速テンポに頑張って食らいついていたが。一方2日目は、「献堂式」の冒頭の音からして気合が入っているのがうかがえ、「今日は期待できるかも」と思っていたら、実際元気のいい演奏で楽しめた。初日よりも、指揮者の意図をオーケストラが良く咀嚼していたという感じである。どこかで吹っ切れたのだろうか?
パートごとに見ると、セカンド・ヴァイオリンやヴィオラなどの中声部がもう少し頑張ってくれたもっと面白かったのに、と感じた。チェロは両日とも健闘していたように思う。ヤルヴィの意図がより徹底しているのはカンマー・フィルとの演奏だろうが、たまにはこんな「他流試合」を聞いてみるのも、いろんな駆引きの跡が窺えて面白い。
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