2009年12月19日土曜日

シュペリング&ヘルシンキ・フィルのメサイア

  • G.F.ヘンデル(W.A.モーツァルト編):オラトリオ「メサイア」
アンドレアス・シュペリング指揮、ヘルシンキ・フィルハーモニー管弦楽団、ドミナンテ合唱団ほか
12月17日 フィンランディア・ホール(ヘルシンキ) 19:00~

日本に一時帰国してロシアに戻る際、せっかくなのでヘルシンキに寄ってコンサートを聞きにいった。シュペリングの指揮で、モーツァルト編のメサイアを聞けるというのがポイント。この指揮者、メンデルスゾーン版のマタイ受難曲とか、補筆前の未完の断片をそのまま収録したモーツァルトのレクイエムとか、マニアックなCDをいろいろ出している人である。

会場に入ってみると、録音でもするのかマイクが多く立っている。メサイアは2年前に札幌で、鈴木雅明指揮のBCJで聞いたことがあるけど、あの時はオーケストラも合唱団も、驚くほど小編成。チェロなんて2人しかいな かった。でも今回はチェロだけで3プルトあったし、合唱団は両翼に目一杯広がっている。編成は、通常のオーケストラと変わらない。でも案の定、ビブラートはほとんどかけず、響はとてもスッキリ。合唱団はベーレンライターと思しき楽譜を手にしていた。シュペリングの指揮は結構明快で、分かりやすい。前のほうの席に座っていたが、時々シュペリングが合唱団と一緒に歌っているのが聞こえた。

正直なところ、クラリネットの響きにちょっと違和感を覚えたものの(ストラヴィンスキーが新古典主義期に、しばしばクラリネットを除いた作品を書いたのが分かる気がした。バロックにクラリネットはやはり違和感がある)、全体的にはとてもいい明るい演奏だった。現代オーケストラならではの迫力もあって、BCJの時より楽しめた。残念だったのは、長旅と時差ボケのせいで、途中から睡魔との闘いになってしまったこと。ああ、せっかくの名演がもったいない…。今回の演奏会、CDにしてくれないかなあ。シュペリングが実力のある指揮者らしいというのは分かったので、今度は万全の体調で臨みたい。

0 件のコメント: