2009年10月3日土曜日

ライブ・ハウス「ドム」にて

9月20日:ラディヤ・バアトゥ&シモナ・ヨリ・マカンダ

9月27日:アレクセイ・アイギ&アンサンブル4'33''

ライブ・ハウス「ドム」(モスクワ)

恥ずかしながら、いわゆるライブ・ハウスなるものに行ったのは、これが初めて。クラシック以外の音楽にも興味はあるのだけど、習慣に流れやすい人間であるため、もっぱらクラシックのホールにばかり足を運んでいた。ところが今回、モスクワでCDを漁っていた際、面白そうな場所を見つけたので、行ってみた。実はこの「ドムдом(家、ハウスの意味)」というライブ・ハウス、ロシア音楽好きの間では結構有名らしく、いろいろと実験的な試みも行っているようだ。

2回行って、2回とも面白かったのだが、いざその感想を記そうとすると、言葉が出てこない。クラシック以外の音楽を語る語彙が、自分の中でまだ十分育っていないのだなと思う。吉田秀和が、『音楽の旅・絵の旅』(中公文庫、1979年)の中で、「新しいことが新しいというだけで、意味と持つ時は、(自分の中で)もう過ぎ去った」と書いていたが、今の私にとってはまだまだ、自分にとって新しいということそのこと自体に大きな価値がある。演奏の良し悪し以前に。

特に20日のライブのほうは感想の書きようがなく、不思議な空間に連れ去られた、という言葉しか思いつかないのだが、先ほどネット上にその時の様子がアップされていたのを発見した。

http://rutube.ru/tracks/2399927.html?v=4c20811b4dc7cc76aae2ab742b962b08

27日のほうは、もっと分かりやすく、ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、トランペット、トロンボーン、ピアノ、エレキベース、ドラムスというメンバーで、時々編成を変えつつ、ややロック調というか、ポップな感じの音楽を演奏していった。一曲を除いて、ヴォーカルはなし。明らかにケージの「4分33秒」を意識したアンサンブル名なので、もっと「わけのわからない」音楽を奏でるのかと思ったが、実際はとてもノリのいい音楽だった(実のところ、構えていた分、最初はちょっと拍子抜けしたのだが)。最後のほうは、リーダーのヴァイオリン奏者が興奮して飛び上がって弾いていたのが印象的。そうそう、ドラムスの生の響きってこんなのだったよねとか思いつつ、クラシックとは違う「ライブ」の興奮を味わうことができた。拍手にこたえてアンコール、何曲やったかしら?

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