2009年10月25日日曜日

プロコフィエフの「賭博師」

セルゲイ・プロコフィエフ 歌劇「賭博師」
パヴェル・スメルコフ指揮、マリインスキー劇場管弦楽団&合唱団、ウラジーミル・ガルジン(テノール)ほか

10月24日 マリインスキー劇場 19:00~


プロコフィエフ25歳の時のオペラ。原作は同名のドストエフスキーの小説。文豪が、実は賭博にはまってどうしようもなかったという笑い話とともに語られる作品である。原作は読んだことがないけれど、ネットであらすじを確認して、見にいった。でもその必要はなかったかも。というのも、後半、かなり独自の筋書きになっているのだ。

ネットでの情報が正しければ、原作にあるはずの「オチ」が完全になくなって、悲恋の物語になっている。いかにもオペラっぽい展開。原作を確認したいところだけれども、原語で読むのは面倒くさいなあ(←不届きもの)。原作を読めば、若きプロコフィエフの嗜好が分かりそうな気がするが。

音楽は、次の「三つのオレンジへの恋」に通じるようなサウンドである。もうちょっと実験的な響きがするかと予想していたけれど、意外と聞きやすい。音楽自体は「三つの~」のほうが好きだけれども、「賭博師」も25歳で書いたことを考えれば、なかなか充実した作品であると言える。ただこの曲、主役のテノールがほとんど出ずっぱりで大変である。

初めて聞く曲なので、はっきりと良し悪しは断言できないけど、歌手もオーケストラも作品の面白さを感じさせるレベルには達していたと思う。マリインスキー劇場の場合、そのレベルにはすぐに達するのだよね。問題はその先なのだが…。

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