2009年8月6日木曜日

バフチサライの泉

ボリス・アサフィエフ 「バフチサライの泉」

スヴェトラーナ・フィリッポヴィチ指揮 マリインスキー劇場管弦楽団

8月5日 マリインスキー劇場 19:00~

スペインのバレエに触発されて、ロシアのバレエも見てみることにする。8月ということもあってか、先月よりも外国人が多いような気が。日本人と思しき人たちもチラホラ。バレエなので、本当はダンサーの名前を大きく載せるべきだが、基本的にバレエのことは分かっていないので省略。

「バフチサライの泉」のあらすじはこちら。もう「オリエンタリズム」の教科書みたいな世界だが、あまりにも典型的すぎて、それはそれとして楽しみましょうという気になる。タタール人の踊りもすべてクラシック・バレエの枠の中に入れられ、「ああバレエだ」というさまざまな見どころが用意されて、「安心して」見ていられる。

もちろん、踊り手のテクニックは抜群(だと思う)。

個人的に興味深いのは、1934年にソ連でこんな古典的なバレエが作られていること。幕が上がるとすぐに、物語の中心となるマリアが、バレエ特有の白い衣装を着て出てくる。バレエ・リュスを経てもまだ、こんな世界が残っていたのだ。でもプロコフィエフのソ連復帰後のバレエ(「シンデレラ」とか)も、似たようなものだっけ?ただ音楽のほうも、チャイコフスキーに毛が生えた程度の実に聞きやすい音楽。しかも作曲者のアサフィエフという人は、当時のソ連の音楽界に強い影響力を持っていた人なのだ。記憶違いかもしれないが、確か「シンフォニズム」とかいう概念を提唱して社会主義リアリズムの理論化に貢献したのではなかったっけ?1934年と言えば、ショスタコーヴィチの問題作、「ムツェンスク郡のマクベス夫人」が初演された年でもある。そう考えると、当時のソ連の音楽状況の混沌ぶりが見えてくるようだ。

指揮はこの世界には珍しい女性指揮者。しかもかなり激しい身振りの指揮ぶりで、見ている分には面白かったが、ちょっと空回り気味だったかも。

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