- オリヴィエ・メシアン:トゥランガリラ交響曲
アンドレ・プレヴィン指揮、NHK交響楽団、児玉桃(ピアノ)、原田節(オンド・マルトノ)
10月21日 NHKホール 19:00~
所用で東京に行った「ついで」に初N響定期、初NHKホール、初プレヴィン。手押し車(?)を押しながらノロノロと舞台袖から出てくるプレヴィンを見ていると、「本当にこのおじいちゃんがこれから80分かかる大作を振るの? 大体どうやってこんなヨボヨボのおじいちゃんが飛行機に乗って東京まで来たの? かつて颯爽とウェストコーストジャズを弾いていた人が歳を取るとこんな風になっちゃうんだ」といろんな思いがよぎった。
後で振りかえってみると、プレヴィンを見た瞬間に呪縛されながらずっとコンサートを聞いていたのかもしれない。なんだかんだいって、やっぱり視覚の力って大きい。トゥランガリラ交響曲って大好きで、いろんな演奏を聞いてきたつもりだけど、こんなに間延びしたトゥランガリラ交響曲は初めて。でもその分、いろんな音が聞こえてきた。顕微鏡で拡大してトゥランガリラの細胞を覗きこむような。これでもう少し凄みが出れば最高だったけど、それはNHKホールの3階2列目では無理かもしれない(と言っても金が…)。遅いと言えばチェリビダッケだが、むしろクレンペラー、あるいはプレートルの音の作り方に近いかも。ところどころアンサンブルが危うかったが、指揮者のせいなのかオケのせいなのか、あるいはソリストのせいなのかは不明。
プレヴィンがあと10歳若ければ、という思いがよぎったことは確かだけど、これはこれで面白かった。