2010年10月15日金曜日

シューベルトと新ウィーン楽派

  1. フランツ・シューベルト(アントン・ウェーベルン編):ドイツ舞曲集
  2. アルバン・ベルク:ヴァイオリン協奏曲
  3. フランツ・シューベルト:交響曲第9番ハ長調(グレート)
ニコライ・アレクセーエフ指揮、サンクトペテルブルグ・フィルハーモニー交響楽団、アリョーナ・バーエヴァ(ヴァイオリン)
10月15日 フィルハーモニー大ホール 19:00~

シューベルトと新ウィーン楽派を組みあわせた意欲的なプログラム。こういうの好きだ。でもロシアのオケって、実はあまりドイツものが得意ではないという認識があるのだが。

一曲目のウェーベルンの編曲によるシューベルトは、「音楽の捧げもの」ほどではないにしろ、やっぱり変わった編曲だと思う。あえて盛り上がるのを避けているような。

お次のベルクは、ソリストのバーエヴァに期待したのだが、今回は不発気味。でもその主な原因は、オーケストラにあるような気がする。とにかくオーケストラが鳴らない。音に自信が感じられないのは、こないだの「大地の歌」と一緒だが、今日のはオーケストレーションがより複雑なだけに、オーケストラが「なんでここでこの音を出さなきゃいけないの?」と戸惑っているのが、よりはっきり分かる。これでは、ソリストもやりにくいだろう。アレクセーエフはいつになくきっちり振っていたが、逆に言うと、それだけきっちり振らないと、オーケストラが崩壊してしまうということだと感じた。

メインのシューベルトは、ベルクとは全く違った意味で難しい曲だ。この曲、「天国的な長さ」がすぐに「天国的な退屈さ」になってしまう。ロシアのオケって、こういう曲が苦手なのだよなあと思っていたが、意外と聞けた。メロディーの歌い方やリズムの活かし方など、部分的にはとてもいい。オッと思わせる瞬間が何度かあった。ただしそれが長続きしない。そこが問題。もちろんそれは、曲自体の問題でもあるのだが。

たぶんベルクのようなタイプの曲は、マリインスキーのほうが上手いだろう。でもシューベルトは、フィルハーモニーのほうがいいような気がする。

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