2010年10月11日月曜日

レザール・フロリサン in St. Petersburg

  1. マルカントワーヌ・シャルパンティエ:田園劇「アクテオン」
  2. ヘンリー・パーセル:歌劇「ディドとエネアス」
ウィリアム・クリスティ指揮、レザール・フロリサン
10月10日 マリインスキー・コンサートホール 20:00~

本当に素敵な、可憐な演奏、そして音楽。ロシアではなかなかこういうコンサートに出会えないだけに、なおのこと貴重。いや~本当に来て良かった。

特にシャルパンティエは絶品だった。曲の個性と演奏者の個性がピタリと一致して、愉しいことこの上ない。ルノワールは、「人生とはうんざりするものだから、芸術作品はそれとは別の、愛らしく美しく愉しいものでなくてはならない」という趣旨のことを述べたらしいが、シャルパンティエの作品は、その言葉を思い出させる。お話自体は悲しいものだが、音楽は浮世の疲れを癒し、生きる喜びを与えてくれるものだった。

それに対して、パーセルの作品はもう少し翳りのあるものだけに、少し演奏者と作品の間に距離があるのを感じた。それでも、高水準の演奏だったことには間違いない。

演奏形態は、オペラとコンサートの中間のような形で、舞台の中央にオーケストラが位置し、その周りを歌手たちが動き回るというものだった。特に目立った舞台装置はなし。それでも、想像力を十分駆り立ててくれた。

クリスティの名前もレザール・フロリサンの名前も、ロシアでそれほど有名だとは思えないのに、会場は満員。臨時の席を追加していたほど。最後は熱狂的な拍手が延々と続いて、何度も舞台に呼び出されていた。やっぱりこの街には、熱狂的な古楽好きが一定数いるらしい。

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