- ミハイル・グリンカ:交響的幻想曲「カマリンスカヤ」
- ロディオン・シチェドリン:管弦楽のためのロマンチックな音楽「アンナ・カレーニナ」
- セルゲイ・プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第1番ニ長調 作品19
- ピョートル・チャイコフスキー:交響曲第4番ヘ短調 作品36
ワレリー・ゲルギエフ指揮、マリインスキー劇場管弦楽団、アリーナ・イブラギモヴァ(ヴァイオリン)
3月5日 マリインスキー・コンサートホール 20:00~
いつもながら、ゲルギエフのプログラムはヘビーである。こちらもそれに慣れてしまうが、いいのだろうか。
1曲目のグリンカは初めて聞く。アンサンブルはイマイチ。途中からアップテンポになるが、弦楽器が明らかに乱れている。
その点、多少音程を外してもばれないというのもあるかもしれないが、シチェドリンのほうが出来がよかった。これも聞くのは初めて。割と聞きやすい重厚な曲で(あくまでも、20世紀後半の作品にしては、ということだけど)、家に帰ってからCDをネットで探したけれど、どうも元のバレエのDVDしか出ていないようだ。ゲルギエフ、録音しないかなあ。
バレエ音楽「アンナ・カレーニナ」を演奏会用に編曲したものだが、面白いのはあの手この手で鉄道の音を再現していること。まるでオネゲルのパシフィック231の拡大版。オケは4管編成に多くの打楽器を投入していて、確かに気軽にプログラムに入れるのはちょっと難しいかも。
続いてプロコフィエフのヴァイオリン協奏曲第1番。今日のお目当てのイブラギモヴァ。どんなヴァイオリニストだろうと思っていたが、とにかくピアニッシモが綺麗。そしてピアニッシモの音も装飾音符もよく聞こえきて、オケに埋もれることがほとんどない。たまたま座った位置がよかったのかもしれないが。第1、第3楽章はとても満足。個人的には、第2楽章はもっとヴァイオリンを思いっきり鳴らしてほしかったが、演奏スタイルの一貫性という点から見れば、これもありか。ゲルギエフは、こういう曲の伴奏を手堅くまとめるのが上手いと思う。
休息後のチャイコフスキー。ゲルギエフのチャイコフスキーなんて期待していなかったが、意外とよかった。最初のファンファーレから思いっきり鳴っていた。全体的に元気のいい演奏で、あまり暗さとか厳しさもなく、やや響きが混濁気味だったものの、それなりに練れていた。「ロシア風のチャイコフスキー」を求めるのでなければ(というか、ゲルギエフにそんなものは求めないけど)、十分満足できる演奏だった。
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