2011年3月27日日曜日

ヴェルディのオペラ初体験~ローマ歌劇場の「ナブッコ」

  • ジュゼッペ・ヴェルディ:歌劇「ナブッコ」(演奏会形式)
ニコラ・パシュコフスキ指揮、ローマ歌劇場管弦楽団&合唱団、ダリオ・ソラリ(ナブッコ)、アントニオ・ポリ(イズマエーレ)、ドミートリ・ベロセリスキー(大司教)、ヴィクトリア・チェンスカ(アビガイッレ)ほか
3月27日 マリインスキー劇場 19:00~

1月の末、マリインスキーのサイトを見ていると、リッカルド・ムーティが3月の終わりにマリインスキーにやってくるという告知が!!曲目はヴェルディの「ナブッコ」を演奏会形式で。普段はヴェルディなんて見向きもしない私も、おおこれは行かねばなるまいというわけで、すぐに1200ルーブルのチケットを購入。ムーティは1993年のウィーン・フィルのニューイヤーコンサートで出会って以来(ニューイヤーを見たのも、それが最初だった)、ちょっと思い入れのある指揮者なのだ。ところがムーティは2月の初めに倒れてしまい、今日の演奏会もキャンセル。残念…。しかも払い戻しなしって、オイオイ。

でもおかげで、ヴェルディのオペラを初めて全曲通して聞くことができた。こんな機会でもなければ、ヴェルディに耳を傾けることなんて、ないだろうから。長くなるので書かないが、ワーグナーと対照的な面がいろいろ発見できて、その意味では面白かった。クラヲタを自認するならば、好き嫌いを抜きにして、有名な作曲家の作品を一通り耳にしておくべきなのかも。

演奏の出来は…いいのか悪いのかよく分からない。なにしろ比較できないから。オーケストラは、もう少し音に潤いが欲しいと思ったけど、これは会場のせいもあるのかもしれない(何でコンサートホールでやらなかったんだ!!)。知名度が高くなく、もっと下手かと覚悟していたけど、意外と整ったアンサンブルを聞かせてくれた。それにこの軽い感じは、ロシアのオケにはなかなか出せない。余談だが、ピッコロのおじさんが「あんたソリストか!」と言いたくなるぐらい大きな身振りで演奏していて、可笑しかった。独唱も合唱も自家薬籠中という感じで、良かったのではないだろうか(いや、あまり自信をもって言えないけど)。

むしろ印象に残ったのは、観客の反応。有名な「行け、我が想いよ、黄金の翼に乗って」の後など、熱狂的な拍手が鳴りやまず、もう一度歌ったぐらい。ロシアの人たちは、自分たちの「愛国心」をこの歌に重ねたのだろうか?もちろん全曲終わった後は、盛大な拍手とスタンディングオベーション。あ、今日の演奏ってそんな名演だったの?もしかして今日の私は、「猫に小判」状態だったのかもしれない。

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