2010年6月1日火曜日

たまにはゲルギエフを誉めてみる

昨日、マリインスキーで働いている日本語のできる友人から電話があった。日本から来たゲルギエフへのファンレター(誕生日カードのもの。ゲルギエフは5月生まれ)を訳しているのだが、分からない個所があるという。

「4人の交響曲って何の事だか分りますか?」

当初は「?」だったのだが、あれこれ話しているうちに「マーラーの交響曲に『千人の交響曲』というのがありますけど」と私がぼそっと呟くと、「それだ!!」ということに。確かに手書きの日本語の場合、「4」と「千」は似ている。しかし作曲者の名前くらい書いておいてほしかった(笑)。

手紙の内容は、ゲルギエフの指揮する「千人の交響曲」を聞いて感激し、自分でも合唱に参加したくなって、今では東京の合唱団で歌っていますというもの。ゲルギエフとしても嬉しい話だろうが、でも彼はファンレターにわざわざ目を通している時間などあるのだろうか?そう思って、件の友人に聞いてみると、どうもゲルギエフはちゃんと目を通しているらしい。だからわざわざ訳させているのだとか。

おお、ゲルギエフもなかなかいいところあるじゃん。ひょっとしたら、日本が好きだから、ということも考えられるけど、でも素直に偉いと思う。

ところで最近、マリインスキーのコンサートホールに行くと、いつも録音用のマイクが立っている。あんなに毎回録音してどうするのだろうと思っていたが、なんでもゲルギエフの指示でフォンドを作っているらしい。しかもどうやって時間を作っているのか知らないが、ゲルギエフは結構それをチェックしているという話も。こうした超人的な働きぶりが、彼が世界的な名声を博することになった要因なのだろうと思う。

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