- モーリス・ラヴェル:「ダフニスとクロエ」第2組曲
- 同上:ピアノ協奏曲ト長調
- グスタフ・マーラー:交響曲第10番嬰ヘ長調~アダージョ
5月23日 マリインスキーコンサートホール 12:00~
本当は今日、エレーヌ・グリモーがマリインスキーに来てラヴェルのピアノ協奏曲を弾くはずだったのに、一週間前になり急病のためキャンセル。さすがにそれを知った時は、ガクッときた。楽しみにしていたのに…。でも気を取り直して、マリインスキーへ。
一曲目は「ダフニスとクロエ」の第2組曲。ゲルギエフはこういう曲は上手い。大きな編成だが、楽器の鳴らし方のバランスがとても良く、色彩感が豊かだ。彼の指揮で全曲を聞きたくなった。先月のラ・ヴァルスも名演だったし、チャイコフスキーだのショスタコーヴィチだのという「お国もの」はフィルハーモニーのほうに任せて、ゲルギエフはもっと近代フランスものを振ってはどうか。でも世界のファンが彼に期待するのは、ロシア音楽なのだろうなあ。世の中の人にもっと目覚めてほしいと思うけど、でもひょっとしたら私の耳がおかしいのか?
続いてピアノ協奏曲ト長調。ヴォロジン、出てくるときの歩き方が何となくぎこちなく、大丈夫かなと思ったけど、演奏自体はオケともども無難にこなしていた。第2楽章はもっと歌ってほしかったけど、第3楽章は音が飛び跳ねるようで良かった。これがグリモーだったら、ということを想像するのはよそう(ネームヴァリューと生演奏の感銘度がまるでかみ合わないことは、この一年間いやというほど思い知らされたし)。
後半はメインのマーラーだが、実はこれがアダージョのみか、全曲やるのか、はっきりと告知されていなかった。全曲聞いてみたいけれど、この人たちはどうせちゃんとリハーサルしていないだろうし…。結局、アダージョのみ。賢明な判断だと思う。生で舞台を見て初めて気がついたのだけど、このアダージョ、実は打楽器が登場しないのだ。
肝心の演奏だが、ところどころゲルギエフのこだわりを感じさせる部分があったが、曲の全体像がつかみづらく、散漫な印象。もともと複雑な構造の曲なので、しょうがないと言えばしょうがないのだが。もっとリハーサルをすればおのずと結果は違ってこようが、それを今のゲルギエフに求めることはできない。
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