2010年5月18日火曜日

「本物」のショスタコーヴィチ

  • ドミートリ・ショスタコーヴィチ:交響曲第4番ハ短調 作品43
ニコライ・アレクセーエフ指揮、サンクト・ペテルブルグ・フィルハーモニー交響楽団
4月18日 フィルハーモニー大ホール 19:00~

こないだのブラームスでは、オケの個性と作曲者の個性がかみ合っていないような印象を受けたが、今日のはまさしく十八番。管楽器の硬く鋭い音が、この交響曲にピッタリ。ショスタコーヴィチはきっとこういうサウンドを想定して曲を書いたに違いないと思わせる、説得力がある。その意味では、つぼにはまった時のオリジナル楽器の演奏と似ている。というか、これも広い意味でのオリジナル楽器の演奏と言えるだろう。このオケ、ブラムースが下手なのは残念だけれど、でもショスタコーヴィチ・ファンとしては、この個性は失ってほしくない。アレクセーエフはさすがに副指揮者だけあって、オケの持ち味をよく理解している。

とはいっても、リハーサルの時間が足りなかったのか、第一楽章の有名なプレスト(練習番号63)は割と弾けていた代わりに、意外なところでアンサンブルが乱れたり、リズムの詰めが甘かったりしたのは残念。それでも、全体的に見れば十分満足できる出来。咆哮するオーケストラを聞いて、「いや~ショスタコーヴィチを堪能した」という気になれた。ゲルギエフでは、なかなかこうならない。

一曲のみの一時間強のコンサートだったが、最近長時間のコンサートに疲れ気味だったので、ちょうど良かった。これぐらいの短いコンサートを、もっと増やしてほしい。

<追記>
演奏の最中に携帯が鳴らず、演奏が終わってから拍手が起こるまで間があった点でも、今回のコンサートは良かった。

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