- マティアス・セイバー:ソプラノとクラリネットのための「3つの明けの明星の歌」
- アルバン・ベルク:クラリネットとピアノのための4つの小品
- ボリス・ゴルツ:ピアノのための2つのプレリュード
- ギデオン・クライン:ピアノ・ソナタ
- レオシュ・ヤナーチェク:ピアノ・ソナタ
- エレーナ・ポプリャノヴァ:無伴奏ギター・ソナタ
- ローラ・カミンスキ:「ヴコヴァル」ピアノ三重奏曲
- ベーラ・バルトーク:2台のピアノと打楽器のためのソナタ
3月16日 フィルハーモニー小ホール 19:00~
現在フィルハーモニーを中心に行われている、「アヴァンギャルドから現在へ:戦争と平和」という連続コンサートの一環。実は先日のロスラヴェッツは、この企画の幕開けだった。
今回も凝ったプログラム。たとえば4番目のクラインはアウシュヴィッツで殺された作曲家であり、ヤナーチェクの弟子である。6番目、7番目は現役の作曲家の作品であり、作曲家自身が会場に見えていた。ただしこうした渋いプログラムに来る客がそんなにいないのは、もう分かりきったこと。演奏家は、若手が中心。
一曲一曲についてコメントしていてはキリがないので、特に印象に残った最後の2曲について。カミンスキのピアノ三重奏曲は、冒頭のピアノの激しいトーン・クラスターに一瞬たじろいだが、でもよく聞くと意外と親しみやすいリズムとメロディーを持っている。リズムに関しては、幾分ロックっぽいような気も。ただ端の鍵盤を使い、激しく叩きつけるピアノに対して、弦楽器の2人が大人しい。作曲者の指示かもしれないが、むしろ奏者の技量の問題ではないかという気もした(特にヴァイオリン)。もう少しメリハリの利いた演奏で聞けば、さらに名曲に聞こえたのではないだろうか。
最後はお目当てのバルトーク。弦楽四重奏曲と並び、バルトークの室内楽の傑作と評されている作品だが、あまり実演でお目にかかる機会はないような気がする。編成が特殊だからか。でもその分、生で見ると面白い。2人の打楽器奏者がいろいろな楽器を駆使し、2人のピアノ奏者とやりあさまは、見る価値がある。もちろん、音楽自体もあらためて見事なものだと思った。あまたあるこの曲の録音と比べてどうこう言うのは易しいけれど、でも十分満足できた。
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