2010年3月7日日曜日

シチェドリンのバレエ「せむしの仔馬」

  • ロディオン・シチェドリン:バレエ「せむしの仔馬」
アレクセイ・レプニコフ指揮、マリインスキー劇場管弦楽団
振付:アレクセイ・ラトマンスキー

ダンサー:デニス・マトヴィエンコ、アリナ・ソモヴァ、グリゴーリ・ポポフほか

3月7日 マリインスキー劇場 11:30~


前から見てみたかったバレエ。ひょっとしたら、戦後ソ連を代表する作品かもしれない。もともとロシアの昔話だけに、観客席には子どもの姿が目立つ。

シチェドリンもいろいろ作風を変えてきた人だけに、はたしてどんな響がするのやらと構えていたが、全くの杞憂だった(いや、不発だったというべきか)。プロコフィエフのバレエ音楽に似た響がする。でも考えてみればこの曲が書かれたのは1955年、つまりプロコフィエフが亡くなって間もない時期の作品なので、プロコフィエフと大して違いがなくても不思議はないわけだ。シュニトケがポスト・ショスタコーヴィチなら、シチェドリンはさしずめポスト・プロコフィエフといったところだろうか。

バレエ・ファンの方には何を当たり前のことをと言われそうだが、話の展開も音楽も、いろんな踊りを見せるために頑張って引っ張った感あり。つまりやや「冗長」なのだが、その分踊りは楽しめる。

舞台は割とシンプル。しばしば幾何学的な図像が背景に現れる。最初に出てくるイワンの父と兄たちの衣装など、マレーヴィチの絵画に出てくる農夫を思いおこさせる。そう、このデザインはたぶんマレーヴィチを意識していたのではないだろうか。これが一番印象に残った。

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