- エリッキ=スヴェン・トゥール:Триглоссон Трисагион(2008)
- アルヴォ・ペルト:カノン・ポカヤネン(悔恨のカノン)(1997)
2月17日 フィルハーモニー大ホール 20:00~
今、ロシアは大斎期(ポスト)の季節。要するに宗教的行事の一つで、肉や魚などを口にしてはいけないらしい。でも不信心な外国人にとっては、そんなことより、ポストに合わせて行われる合唱祭のほうが気になる。今回のペルトのコンサートも、もちろんその一環。両作とも、正教にちなんだア・カペラという渋い作品だが、大ホールにそこそこ人が入っている。
う~ん、しかしこんなところに自分のアキレス腱があるとは思わなかった。ついていけない…。普通のクラシック音楽とは明らかに違う雰囲気に包まれる。これに比べれば、バッハのマタイ受難曲なんてまだまだ俗っぽいというのか、普段のコンサートの延長感覚で聞ける。ペルトの場合(トゥールも)、どこに的を絞って聞けばいいのか分からないまま、終わってしまった。たぶん普段クラシックのコンサートに行かない人が急にクラシックを聞くと、こんな感覚に包まれるのだろうな。
実を言うと、もともと「歌もの」が苦手である。イタリア・オペラが駄目な一因もそれ。昔からあまりポピュラー音楽を聞かないのも、一つにはそれのせいだと思う。最近では合唱曲をちょくちょく聞くようになったものの、でもア・カペラとなると、まともに聞いたことがあるのはプーランクぐらいではないだろうか(なぜかプーランクは聞いていた)。
でもこういう音楽って、一度音楽の「文法」を理解してしまうと、逆にはまってしまうことがある。その点でブルックナーの音楽と同じだ(というか、ブルックナーが宗教音楽的なのだろうが)。今は分からなくても、いつかかけがえのない音楽になるのかもしれない。
《追記》
ペルトの曲はCDだと2枚組で、80分以上かかっているが、今回は1時間ほどで終わってしまった。どこかをカットしたのだろうか?
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