2010年4月24日土曜日

季節外れの(?)チャイコフスキー

  1. ドミートリ・ショスタコーヴィチ:ヴァイオリン協奏曲第1番イ短調作品77
  2. ピョートル・チャイコフスキー:交響曲第1番ト短調作品13「冬の日の幻想」
ミハイル・タタールニコフ指揮、マリインスキー劇場管弦楽団、Yuri Zagorodnyuk(ヴァイオリン)
4月24日 マリインスキーコンサートホール 19:00~


Yuri Zagorodnyukという、マリインスキーの元コンマスの75歳記念演奏会。ショスタコーヴィチは、ご本人が希望したものだろうか。だが正直なところ、技巧の衰えは隠せない。しかも結構初歩的なところで音を外している。とはいっても、音楽が崩壊するほどではないし、音色や歌い方は悪くないので、ベートーヴェンとかメンデルスゾーンとか、もう少し技術的に簡単な曲にしておけば良かったのではないだろうか。

なんだか野暮ったい(聞き様によっては味があるとも言えるが)ソリストとは対照的に、タタールニコフが指揮するオーケストラは洗練されている。しかも元コンマスに敬意を表したのか、今日は「一軍」なので、こちらは技術的に問題なし。このコンビで、ショスタコーヴィチの交響曲も聞いてみたい。

後半のチャイコフスキーになると、ソリストに気を使う必要がないせいか、オーケストラはますます快調。ちょうど春がやってきた今の季節に「冬の日の幻想」を何で取りあげるのだろうと思うけど(でも第4楽章の雰囲気は、今の季節にピッタリか)、久々にチャイコフスキーを堪能できた。はっきりいって、ゲルギエフが指揮している時より爽快だ。

やっぱりタタールニコフは、期待していい若手だと思う。これからの理想は、タタールニコフの指揮で「一軍」の演奏を聴くこと。

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