2010年4月14日水曜日

ゲルギエフの謎、謎、謎…

  1. ドミートリ・ショスタコーヴィチ:交響曲第3番変ホ長調作品20「5月1日」
  2. ヴィトルト・ルトスワフスキ:ピアノ協奏曲
  3. アントン・ドヴォルザーク:チェロ協奏曲ロ短調作品104
  4. モーリス・ラヴェル:ラ・ヴァルス
ワレリー・ゲルギエフ指揮、マリインスキー劇場管弦楽団&合唱団、セルゲイ・ババヤン(ピアノ)、マリオ・ブルネロ(チェロ)
4月13日 マリインスキーコンサートホール 20:00~


このコンサート、当初はブルネロのソロによるドヴォルザークのチェロ協奏曲しか告知されていなかった。そのうち何か追加するだろうと思っていたら、一週間ほど前になってショスタコーヴィチとラヴェルが追加。これで終わりだと思っていたら、なぜか2日ほど前になってルトスワフスキ(!)も追加。また無茶な。案の定、いつまでもリハーサルをしていて、お客が会場に入れたのは20時20分ごろ。開始は、その10分後だった。いつものことながら、ゲルギエフの頭の中を覗いてみたい。

おそらく交響曲全集録音の一環として取りあげたショスタコーヴィチの3番。この曲、私はあんまり好きではない。同じ体制翼賛でも第2番は刺激的だけれど、第3番は平明すぎるというのか。この日のゲルギエフの演奏を聴いても、ピンとこなかった。

続いて、なぜか急きょ追加されたルトスワフスキ。ピアニストは初めて聞く名前で、若手だが、リゲティやペルトなどの現代曲を得意としているそうだ。この日も暗譜。初めて聞く曲なのであれこれ細かい指摘はできないが、しっかりと曲を把握している感じで、安心して聞くことができた。対照的なのがゲルギエフ。最初から最後まで、すごい形相で譜面にかじりついていて、予習が足りていないのが見え見え。それでも何とかなってしまうのが、このコンビの凄いところなのだが(というか、間違ってもこちらは気がつかない)、こんな状態で人に聞かせることに疑問を感じざるを得ない。

休憩の後は、もともとメインだったはずのドヴォルザーク。ところがさっきのルトスワフスキで力を使い果たしたのか、オーケストラの音に生気がない。おかげでブルネロの音はよく聞こえたが、要するにソリストの一人舞台になってしまったということ。こうした演奏は、ブルネロに対して失礼では?

ブルネロが引っ込んだ時点ですでに23時近く。帰っていくお客さんも多い。お腹もすいたし私も帰ろうかな、でもラ・ヴァルスは12分程度だし聞いていくかと残ってみたら、驚いた。さっきまでとはまるで別のオケのように、豪快に鳴りまくる。編成が大きくなっているとはいえ、それだけでは説明できない活きのよさ。これまでの経験から、ドヴォルザークよりラヴェルのほうがゲルギエフに合うというのは理解できるが、それにしても…。

とにかく、やろうと思えばできるじゃないか!!

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