2010年11月13日土曜日

マリインスキーの「マクロプーロスの秘事」

  • レオシュ・ヤナーチェク:マクロプーロスの秘事
ミハイル・タタールニコフ指揮、マリインスキー劇場管弦楽団&合唱団、ジャンナ・アファナシエファ(ソプラノ)ほか
11月12日 マリインスキー劇場 19:00~

同じ曲を同じメンバーで夏休み前に聞いたが、期待以上によかった。しかしどうやらこれは、舞台上演に向けた練習だったらしい。先月から、劇場のほうで上演しだした。これは見ておきたい。「マクロプーロス」なんて、滅多にお目にかかれないし。

まず演出が良かった。いつものマリインスキーに比べて、洗練されている。実際には声を発しない人たちも出てくるが、彼らの動きが印象的で想像力をかきたてる。それでいて、歌手の邪魔をしない。様々な大道具、小道具のセンスもいい。休憩時間に、今日の演出は誰だろうと思ってプログラムを見てみたら、グラハム・ヴィック。ステージデザイナーや照明にも外国人が名を連ねており、このプロダクションの初演もデンマークだったらしい。つまり基本的に外のプロダクションだったわけで、どうりでと納得(してしまうのも、ちょっとさびしいけれど)。

演奏のほうは、前半は快調。メリハリのある演奏で、ヤナーチェクの響きがする。残念だったのは後半、徐々に粗が目立つようになってきたこと。疲れてきたのか、練習時間が足りていないのか。全体的には健闘していたと思うが。

プログラムによれば、ヤナーチェクはカミラ(ヤナーチェクが熱烈に(勝手に)思いを寄せていたことで有名な女性)への手紙の中で、このオペラに関連して「私たちは人生が短いことを知っているから、幸せなのです。ですから、ひと時ひと時を私たちは有効に使わなければなりません」と述べているそうだ。そうか、そういうことを考えながらヤナーチェクはこのオペラを作曲したんだと、これも納得。

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