2010年7月4日日曜日

サロネン、マリインスキーを振る

  1. リヒャルト・シュトラウス:メタモルフォーゼン
  2. エクトル・ベルリオーズ:劇的交響曲「ロメオとジュリエット」作品17
エサ・ペッカ・サロネン指揮、マリインスキー劇場管弦楽団&合唱団ほか
7月3日 マリインスキー・コンサートホール 21:00~


サロネンがマリインスキーのオケを振るという、変わった組みあわせ。でも実は、何年か前にも振ったことがあるらしい。これって期待できるのだろうか?サロネンは好きな指揮者だが、マリインスキーのオケというのが引っ掛かる。おまけに9時開始って…。でもやっぱり行かずにはいられない。

一曲目のメタモルフォーゼンは、見ていると面白い。23人の弦楽器奏者が、入れ替わり立ち替わり音楽を紡いでいく様が、視覚的に確認できる。よくこんな複雑な曲を書いたよなあと思う。でもよく考えてみれば、戦後の前衛運動は目の前まで来ているのだ。

やっぱり難曲で、ところどころ音程が怪しい。素人が聞いてそうなのだから、サロネンの耳には、とんでもない音が聞こえていたのではないだろうか。実は中間部でちょっと退屈して、少し寝てしまった。

サロネンの振り方を見たくなって、後半は指揮者の向かいに移動。後半のベルリオーズは、R.シュトラウスより楽しめた。サロネンはマーラーを振る時のように、ベルリオーズのオーケストレーションを丁寧に解きほぐしていく。特に舞踏会の喧騒のような場面では、オーケストラが気持ちよく響き渡って、とてもいい。一方、「愛の場面」などは、もっと歌ってほしいなあという気も。それは、サロネンの問題でもあるかもしれないけど、むしろマリインスキーのオケが、ベルリオーズのようなロマン派の歌い方を分かっていないのではないかという気もする。ここのオケは弦の音に厚みがないため、ベルリオーズやワーグナーに求められる「うねり」が出てこない。この印象は、ゲルギエフが振るとより強まる。今日はサロネンだから、まだマシだったような気がする。

とまあ、なんだかんだ言いつつ、結局最後まで飽きもせず聞いてしまった。終演は12時ちょうど。白夜の頃はよくある話。

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