- ジョヴァンニ・ボッテシーニ:グランド・デュオ・コンチェルタンテ(弦楽合奏版)
- グスタフ・マーラー:交響曲第5番嬰ハ短調
尾高忠明指揮、札幌交響楽団、文屋充徳(コントラバス)、豊嶋泰嗣(ヴァイオリン)
8月10日 札幌コンサートホールKitara 19:00~
忙しくて3か月以上、コンサートに行かずじまいだった。
今日のコンサート、最初の作曲家ボッテシーニて誰という感じだったのだが、19世紀のイタリアで活躍した有名なコントラバス奏者、指揮者、作曲家らしい。実はヴェルディの歌劇「アイーダ」の初演を指揮したのは彼だとか。コントラバスの名手だったので、この楽器用にたくさんの曲を書いており、今日の曲もそのうちの1つ。
もうこれは純粋にコントラバスとヴァイオリンの妙技を楽しむための作品。ソリストの腕もしっかりしていたので、文句はない。もっと遊んでくれてもいいと思ったけど。一方、オーケストラのほうは初見で弾けるんじゃないかというぐらい単純な伴奏に徹している。後半のマーラーが大変なので、あえて負担の少ない曲にしたのかも。
さて、メインのマーラー。尾高忠明の指揮は「堅実」の一言。派手に体を動かすことはしないけど、オーケストラをしっかりコントロールしている。最近の札響定期、どうもピンとくる演奏に出会えなかったのだが、今回は久々に「生のオーケストラの響きってやっぱりいいなあ」と思えた。札響が誇るトランペット奏者福田善亮のソロに導かれてオーケストラが入ってきたときの響き、迫力。
ただし気になった部分もあって、それが第4楽章。管打が活躍する部分では、尾高さんのコントロール能力の高さが良くわかるのだが、弦楽器だけになると…。別に悪くはないけど、もっと歌えるんじゃないだろうか、もっと豊かな響きが出せるんじゃないだろうかと思ってしまう。前から気になっていたのだけど、意外と札響の弱点て弦楽セクションにあるのかも。それが正直な感想。