- ピョートル・チャイコフスキー:ピアノ協奏曲第1番変ロ短調 作品23
- ベラ・バルトーク:管弦楽のための協奏曲
アナスタシア・デディク(ピアノ)、サブリエ・ベキロワ指揮、サンクトペテルブルグ交響楽団
3月18日 フィルハーモニー大ホール 15:00~
日曜のお昼という時間帯のせいか、フィルハーモニーの大ホールがほぼ満員。確かにくつろぎながら聞くにはちょうどいい時間だ。かくいう私も、そう思ってきたわけだし。ちなみにソリストも指揮者も女性。オケはフィルハーモニーの第二オケ。
まずチャイコフスキーの有名な冒頭、ホルンがコケ気味。おい、この曲何回も演奏しているだろう、しっかりしろ、と思っているうちにピアノが入ってくる。あんまり力強さは感じないけど、タッチはきれいである。いわゆる典型的な「女性的な」演奏ということになるだろうか(作曲家の吉松隆に言わせると、「女性的な演奏というのはダイナミックで、男性的な演奏というのは繊細なもの」なのだそうだが)。ただチャイコフスキーの協奏曲は、若き日のホロヴィッツとか、はたまたアリゲリッチとか、猛者が暴れまくる曲というイメージがあるので、もうちょっと「大きな音」が欲しい。モーツァルトやベートーヴェンを彼女の演奏で聞くと良いかも。オケのほうは…特に金管セクションの泥臭い音、典型的なロシアのオケだと思う。
休息後のバルトーク。木管セクションンは結構健闘していた。第2楽章の「対の遊び」など、はまっていたように思う。問題は前述の金管、中でもトランペット。とにかく出す音のほとんどがメゾピアノ以上。音色も含め、明らかにバランスを壊しているのだが。「対の遊び」でも、トランペットの部分だけ浮いていた。おまけに終楽章の2本のトランペットが掛け合う箇所など、目立つところで吹きそこなうし。終楽章のコーダも、金管がファンファーレを吹きそこなって何が何だか分からなくなったまま、でもなぜかきっちり最後の和音がなるという、不思議な終わり方だった。
指揮者については書かなかったが、率直に言ってあまり顔が見えなかったなあ。
0 件のコメント:
コメントを投稿