- フェリックス・メンデルスゾーン:弦楽四重奏曲第5番変ホ長調 作品44-3
- ドミートリ・ショスタコーヴィチ:弦楽四重奏曲第8番ハ短調 作品110
- ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第4番ハ短調 作品131
エマーソン弦楽四重奏団
3月30日 マリインスキー・コンサートホール 19:00~
何度も書いているように、私は弦楽四重奏が苦手である。それでもこんな世界的な団体が、わずか1000円程度で聞けてしまうとなれば、行かないわけにはいかない。弦楽四重奏のコンサートはあまり客の入りがよくないのが常だが、今日は後方に空席が目立った以外は、かなり客が入っていた。
最初のメンデルスゾーンは、昼間の疲れが出て寝てしまった。したがってノーコメント。
続いてショスタコーヴィチ。私は彼の交響曲は大好きだけど、弦楽四重奏曲には未だになじめない。実はベートーヴェンもそう。これはつまり弦楽四重奏という形式が苦手ということなんだと、自分に言い聞かせている。
と言っても、弦楽四重奏曲の8番は、ショスタコーヴィチ・ファンの間では有名な曲なので、曲の流れは大体頭に入っている。ちなみに手持ちのCDは、定評あるボロディン四重奏団のもの。両者を比べると、第2、第3楽章ではボロディンの厳しさに比べて物足りなさを感じたが、第4、第5楽章ではむしろエマーソンの歌わせ方のほうが気にいった。柔らかいソファーのような厚みとでも言うのだろうか、身をゆだねたくなるような安らぎがあった。エマーソン=スポーティというイメージを勝手に作っていたため、これは嬉しい意外な発見。
一方、ベートーヴェンは各楽章のキャラクターの描き分けが上手かったが、やはり終楽章のカッコよさが一番の聞きものだったような気がする。こちらは、従来のエマーソンのイメージに近い演奏だったのではないか。最後まで聞きおわってみると、確かにこの人たち凄いかもと、納得させられた。それにしてもベートーヴェンは、晩年に何でこんな不思議な曲を書いたのだろう。
<追記>
エマーソンって、チェリスト以外は立って演奏するんだ。こういう形態は初めて見た。