- アントン・ブルックナー:交響曲第8番ハ短調
マリオ・ベンザーゴ指揮、サンクトペテルブルグ・フィルハーモニー交響楽団
4月27日 フィルハーモニー大ホール 19:00~
とうとうペテルブルグを去る2日前になってしまった。さすがにバタバタとして落ちつかない。それでも、2月以来行っていなかったフィルハーモニーにもう一度行っておきたかった。なぜか最近、ここのフィルハーモニーでもブルックナーが取りあげられるようになっている。私は行かなかったが、7番も9番もすでにやっている。一過性のものなのか、このままブルックナーがロシアでも根付くのか。
ここのオケ、いわゆるドイツ的な重厚さはないものの、金管はよく鳴るので、ブルックナーも悪くないかもしれないと思っていたが、まあ予想通りの演奏。アンサンブルのタガがゆるくて、イマイチどっしり感がないのだが、トランペット、トロンボーン、チューバはよく鳴るので(ただしホルンとワーグナーチューバはパッとしない)、「そこそこ」満足。
重厚さがなかったのはオケの個性に加えて、指揮者がそもそもそんなものを求めていないということも大きいだろう。初めて聞く指揮者だけど、かなり早目のテンポ設定。全部で80分かかっていない。終楽章、コーダの快速テンポにはビックリ。これでオケにもっと機動力があったら、ブルックナーの斬新な側面がもっと見えて面白く聞けたのだろうが、オケの反応が鈍かったのは残念。ちなみに、版はノヴァーク版だったと思う。ロシアのコンサートではブルックナーに限らず、複数の版がある場合でもどのバージョンを使うのか全然告知してくれない。ロシア人はこういうのに無頓着である。
今日のチケットは学生券で100ルーブル!!気軽にこういう演奏会に行けるのが、ロシア生活の好きなところだった。