DUALIA(二面性) LA LEYENDA(伝説)
スペイン国立バレエ団
7月18日 マリインスキー劇場 20:00~
実は今回こちらに来てから、初めてのバレエ観賞。それもよりによって、ロシアのバレエではなくスペインのバレエ。バレエに行かなかった主たる理由は2つあって、第一に、大阪に住んでいたころバレエを何度か見にいったことがあるけど、どれもピンとこなかったということがある。それもモーリス・ベジャールが振りつけた「春の祭典」や「ボレロ」、ローラン・プティが振りつけた「デューク・エリントン・バレエ」といった、世界的に見てもかなり評価の高いと思われるバレエだっただけに、自分には(とくに現代系の)バレエは縁がないのかと思ってしまった。第二に、バレエのチケットの値段は概して高い。バレエは「見る」ものである以上、できるだけ見やすい席に座りたいけれど、末席でも普通に1000ルーブルぐらいしたりする。もちろん日本での公演に比べれば圧倒的に安いけれど、他にも行きたい公演がたくさんあるのに、無理に行く必要もなかろうというわけで、結局行かずじまい。しかしスペイン国立バレエ団はペテルブルグにそう来ないだろうし、チケットも比較的安かったので(800ルーブルのチケットを購入)行くことにした。土曜日というのも好都合。
演目は2つ。DUALIA(ロシア語訳から重訳すると"二面性"となるけど、あっているのか?)とLA LEYENDA("伝説"。日本公演でも披露されているらしい)。いや~もう理屈抜きで楽しかった。ダンサーのカッコイイこと、カッコイイこと。前半のDUALIA。一挙手一投足が絵になるのはもちろんのこと、一糸乱れぬタップ、踊りながら鳴らすカスタネットに感激(踊りながら、あんなに綺麗にカスタネットをそろえられるものなのか?最初録音を流しているのかと思った)。まさしくダンサーの全身が音楽と化していた。後半のLA LEYENDAでは、中心となるダンサー、クリスティーナ・ゴメスとエレーナ・アルガドの2人が特に見事。初めてフラメンコを生で見たけど、すっかり目が釘付け。暗闇の中、スポットライトを浴びて黒ずくめの衣装で踊る彼女らの光景は、一生忘れられないと思う。何度かギタリストやシンガーなどが舞台に出てきて、ダンサーの後ろで生演奏を披露してくれたが、これがまたとても上手かった。
もちろん、終演後は拍手喝さい。いや、もうLA LEYENDAでは1つの踊りが終わるごとに盛大な拍手が沸き起こっていた。来年も来ないかなあと思う。今度来てくれたら、もっと高い席を買います。しかしペテルブルグに来てから最も感激した公演が、ティーレマン指揮のミュンヘン・フィルとスペイン国立バレエ団というのは???