2011年10月30日日曜日

プレヴィン&N響のトゥランガリラ

  • オリヴィエ・メシアン:トゥランガリラ交響曲
アンドレ・プレヴィン指揮、NHK交響楽団、児玉桃(ピアノ)、原田節(オンド・マルトノ)
10月21日 NHKホール 19:00~

所用で東京に行った「ついで」に初N響定期、初NHKホール、初プレヴィン。手押し車(?)を押しながらノロノロと舞台袖から出てくるプレヴィンを見ていると、「本当にこのおじいちゃんがこれから80分かかる大作を振るの? 大体どうやってこんなヨボヨボのおじいちゃんが飛行機に乗って東京まで来たの? かつて颯爽とウェストコーストジャズを弾いていた人が歳を取るとこんな風になっちゃうんだ」といろんな思いがよぎった。

後で振りかえってみると、プレヴィンを見た瞬間に呪縛されながらずっとコンサートを聞いていたのかもしれない。なんだかんだいって、やっぱり視覚の力って大きい。トゥランガリラ交響曲って大好きで、いろんな演奏を聞いてきたつもりだけど、こんなに間延びしたトゥランガリラ交響曲は初めて。でもその分、いろんな音が聞こえてきた。顕微鏡で拡大してトゥランガリラの細胞を覗きこむような。これでもう少し凄みが出れば最高だったけど、それはNHKホールの3階2列目では無理かもしれない(と言っても金が…)。遅いと言えばチェリビダッケだが、むしろクレンペラー、あるいはプレートルの音の作り方に近いかも。ところどころアンサンブルが危うかったが、指揮者のせいなのかオケのせいなのか、あるいはソリストのせいなのかは不明。

プレヴィンがあと10歳若ければ、という思いがよぎったことは確かだけど、これはこれで面白かった。

2011年10月8日土曜日

映画:THE EXTERNAL WORLD

映画:Sugar

Sapporo Short Fest 2011 オールナイト上映

ただ今、第6回札幌国際短編映画祭を開催中。
こういうのは知らない監督、知らない俳優ばかりなので、いつもより好き勝手な感想を抱ける。でも今年は時間がないので(??)、オールナイト上映でまとめて見ることに。見たのは、インターナショナル・プログラムのBからF。夜の10時から朝の7時半まで。楽しかった。帰ると、すぐに寝てしまったけど。せっかくなので、備忘録として印象に残った作品の感想を。

ラ・デタント(I-B)
ピエール・デュコス、バートランド・ベイ/2011、フランス、8:30
鮮やかでスピード感あふれるアニメーション。

キス・ビル(I-B)
イナ・ホルムクイスト、エメリ・ウォールゲン/2010、スウェーデン、29:00
某ドイツのロック・ミュージシャンに憧れるスウェーデンの仲良し女学生2人がベルリンに行く話。この2人、実はロシア系移民の子というのが重要な背景ではないかと思う。フィクションだと思っていたが、ドキュメンタリーと知って驚き。

ブロークン・ナイト(I-B)
ヤン・ヒョジョ/2010、韓国、23:00
なかなか怖い話。でももっとグロテスクにできそう。

シュガー(I-C)
ジェローム・アノッケ/2010、オランダ、7:35
人が事故死するという笑ってはいけないお話(エッチなショットもあり)を、爆笑コメディに仕立て上げる才能に脱帽。

カタルシス(I-C)
セドリック・プレヴォスト/2010、フランス、18:00
始終映画のことを考えている映画監督の頭の中を映画化するとこうなるんじゃなかろうか。

リン(I-C)
ピアス・トンプソン/2010、イギリス、25:00
プログラムには「見知らぬ港街」と書いてあるが、街の人はロシア語をしゃべっている。話の展開をちゃんと呑みこめたわけではないが、ひょっとしてタルコフスキーを意識しているとか?

ベイビー(I-D)
ダニエル・マロイ/2010、イギリス、25:00
伏線の張り方がうまい。でも、この主人公の行動はどのように理解すればいいのだろう。特に女性に聞いてみたい。

エクスターナル・ワールド(I-C)
デイビッド・オレイリー/2010、ドイツ、15:00
エロ・グロ・ナンセンスの極みのようなアニメーション。ここまで徹底的に「バカ」をやってくれればスッキリする。ちなみに、作者はどうやら日本のアニメやゲームが好きらしい。

ゲッティング・エアー(I-F)
マーク・ノーナン/2010、アイルランド、8:00
母子家庭の親子の孤独と愛。

リリー(I-F)
カシミール・バージェス/2010、オーストラリア、15:00
明らかにヴィスコンティの「ヴェニスに死す」を意識している。

ジョッシュ・コンディション(I-F)
ユルキ・ランタスオ/2011、アメリカ、26:32
アメリカ版草食系男子の夢物語をコメディーにしたら。